ドラゴンボール的イノベーションのジレンマ

こんにちは、taikiです。

最近、もう一つのビジネス系のブログ「激務の心得」でドラゴンボールでビジネスを例える話がとっても好評でした。

その副産物としてドラゴンボールにおける示唆に富んだ面白い話を見つけたので紹介したいと思います。

ドラゴンボールには負けフラグが立つ技がある

ドラゴンボールの中に負けフラグが立ってしまう技があります。

それは360度全方位に攻撃がおよぶ爆裂技です。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社

↑こういうの

1対1の戦いにおいて、360度の全方向に威力がおよぶ技はどれぐらい意味があるのでしょうか。

言ってる意味がわからない?

図解してみましょう。

敵のいない所にも威力が及んじゃうことが無意味ですね。

攻撃範囲を30度に絞っちゃえば、単純に威力は12倍になるのではないでしょうか。

立体的に考えて上下を考慮すると更に強くなると思われます。

この非効率な全方位技の使用例を見てみましょう。

ベジータvs魔人ブウ

魔人ブウ編でベジータが魔人ブウに対して自爆技を仕掛けるシーンがあります。

ベジータは魔人ブウを消し去ろうと考えて、この技を選択しました。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社

しかし魔人ブウには効かずにベジータは無駄死にしてしまいました。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社

無駄が多い全方位技だったので、仕留めきれなかったのではないでしょうか。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑家族を大事にするのもいいが、まずは技の選択を大事にしてほしい

ピッコロvs悟空

天下一武道会決勝での悟空との試合において、ピッコロも全方位技をやってしまいます。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑爆裂魔波という技ですが、どう考えてもエネルギー効率は悪い

この技でフィニッシュしようと思ったら、そのエネルギーの12倍を悟空にぶつけるみたいな発想はなかったのでしょうか。

ピッコロはその後学習した

ピッコロは後に頭脳派キャラになりますが、天才型ではなく秀才型であることがサイヤ人編でわかります。

天才
天から授かったような才能、もとより備わっていた先天的な能力を指します。

秀才
後天的に得られたもの、すなわち自らの努力と行動によって得た才能。

出所:Smartlog「秀才とはどういう意味?天才との違い&秀才な人の6つの特徴を解説!」

天下一武道会での敗戦を機に、全方位技は1対1の戦いにおいては有効でないことに気付き、1対1用の集約型の技を開発しました。

皆さんご存知の魔貫光殺砲です。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑悟空戦での敗北から学び軌道修正した結果

間違いは故郷!誰にでもある!

大事なことはそこから何を学ぶかです。

ピッコロの頭脳派キャラが後天的であることを表す良い事例でしょう。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑努力の末、魔人ブウも欲しがる頭脳に!

なぜ非効率な全方位技を使ってしまったのか

ベジータもピッコロもなぜ1対1の戦いに置いて、全方位技という非効率な技を選ぶという判断ミスをしたのかは、彼らのルーツを遡ると明らかになります。

ベジータの前職は惑星侵略業

ベジータは地球に来る前は惑星侵略を生業にしていました。

強くなる為に生きるというよりもサイヤ人チームを率いて、フリーザ軍の外注業者として生計を立てていました。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑惑星侵略&売買事業はフリーザ軍から発注されていた

惑星を侵略するにあたっては強敵と1対1での戦いよりも1対複数の戦いが多いことが想定されます。

惑星侵略において複数の敵と同時に戦うために、全方位技が必要な局面も多々あったことでしょうし、それで難局を乗り越えたこともあったでしょう。

その成功体験がまさかの魔人ブウ戦で出てしまったのではないでしょうか。

ピッコロの前職は世界征服業

ピッコロもベジータと同様に考えることが出来ます。

もともと世界征服(後のストーリーを考えると非常にちっぽけな野望だ)が目的でした。

当然、全人類と戦うわけですから1対複数の闘いを想定しています。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑街をふっとばすのは当然広範囲におよぶ技

過去の闘いにおける経験値が天下一武道会決勝の大事な場面で間違った方向に出てしまったのでしょう。

過去の成功体験に依存した結果の敗北だった

ベジータもピッコロも1対1の戦いよりも1対複数の戦いの方が戦歴としては多かったと思われます。

1対1と1対複数の戦いは、似て非なるものであり、当然戦い方も変わってきます。

全方位技で多くの難局を乗り越えてきた過去の成功体験に引きずられて大事な場面で選択をミスってしまいました。

これはイノベーションのジレンマでしょう。

イノベーションのジレンマ
巨大企業が新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論。クレイトン・クリステンセンが、1997年に初めて提唱した。

要は時代が大きく変化している時に、過去の成功体験に引きずられて、時代の変化を読み違えて間違った判断をしてしまうことです。

時代の大きな変化
=1対複数の戦いから1対1のバトルへの変化

過去の成功体験
=全方位技が有効だったこと

↑この様に解釈するとわかりやすいのではないでしょうか。

まとめ:過去の成功体験にとらわれず、その状況に応じた選択をしよう

何事も状況に応じて正解は変化します。

昔の戦いで有効だった技も状況が違えば有効とは限りません。

しかし、人は成功体験を簡単には捨てられず、その成功体験に再現性があると勘違いしてしまいます。

ベジータとピッコロの敗戦から我々が学ぶべきことは過去の成功体験を捨て去って、その都度、状況に応じて思考して判断しようということではないでしょうか。

思考をサボらずに、常に頭フル回転させて生きていきましょう。

以上「ドラゴンボール的イノベーションのジレンマ」でした。

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