「元気玉」はズルい技!漫画史上唯一のクラウドファンディング技だった話

こんにちは、taikiです。

皆さんはクラウドファンディングに参加したことがありますでしょうか?

クラウドファンディングとは:
「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。
出所:Campfire社 Webサイト

SNS上ではクラウドファンディングの募集をよく見かけますし、クラウドファンディング運営会社のMakuake社は昨年IPOもしましたし、新しい金融インフラとして定着してきた感があります。

そんなクラウドファンディングを起点にドラゴンボールの世界を見てみると悟空が使う「元気玉」がいかに異質で反則技なのかが見えてきます。

しかも「元気玉」のスゴイところは、ドラゴンボールの世界にとどまらずに全漫画に及びます。

元気玉をクラウドファンディングで解くとどうなるのか、私なりに考えてまとめましたのでぜひお付き合いください。

ドラゴンボールの技で仲間外れの技「元気玉」

ドラゴンボールの個性豊かな登場人物は、個性豊かな技を使います。

メジャーどころで言えば「かめはめ波」や「界王拳」だったり、攻撃力は高くないけど目くらましによく使われる「太陽拳」だったり、紹介しはじめたらそれだけで1記事書けてしまうぐらい印象的な技がありますね。

それらの技の中で唯一といっていいほど、性質が異なる技が冒頭でも既に述べている「元気玉」です。

「元気玉」は他の技と何が異なるのでしょうか。

「元気玉」はクラウドファンディング型の技

「元気玉」が他の技と唯一大きく異る点は、自分の力を使うのではなく他人の力を使うことです。

「元気玉」以外の技は自己鍛錬の結果、自己の力を高めてエネルギー弾として相手にぶつけます。

「元気玉」は自己の力は高めて形にする部分はあれど、エネルギー弾の大半は他人のものを借りてきます。

カッコよく言うとレバレッジが効いています。

レバレッジ
小さな努力で大きな効果を生むこと。
出所:大辞林 第三版

不特定多数の人から少しずつお金を集めるクラウドファンディングがとても近いイメージですね。

「元気玉」だけがクラウドファンディングをやって、不特定多数の人(自然界?)からエネルギーをかき集めるわけです。

『ドラゴンボール』19巻より(C)鳥山明/集英社


↑界王様はレバレッジについて語っています

他の技はすべて自己資本です。

自分の資金で頑張る。

どう考えても「限りある自己資本で戦う」のと「外部から無限にある資本を調達して戦う」では後者が圧倒的に有利であることは言うまでもありません。

しかも、一番強い悟空しかクラウドファンディングをやらない、、、そりゃ悟空に誰も勝てるはずがない(笑)

ベジータがクラウドファンディングをやるとどうなるか

では、悟空のライバルであるベジータがクラウドファンディング型の技を使ってレバレッジを効かせたらどうなるのでしょうか。

結論から言うと「クラウドファンディングに失敗する」です。

クラウドファンディングはある程度の信用力がないとお金は集まりません。

強盗殺人を繰り返した前科三犯の懲役野郎がどんなに魅力的なプロジェクトでクラウドファンディングを呼びかけてもさすがに協力するの嫌ですよね?

惑星侵略と大量虐殺を宇宙規模で行ってきた前科?犯のベジータがクラウドファンディングをやっても無理です。

実際にやろうとしたらこんなに対応をされてしまいました。

『ドラゴンボール』42巻より(C)鳥山明/集英社

『ドラゴンボール』42巻より(C)鳥山明/集英社

逆に言えば悟空以上に信用力と知名度(実態は別にして)のある人がクラウドファンディングをやればもっとスゴくなるわけです。

ミスター・サタンですね。

『ドラゴンボール』42巻より(C)鳥山明/集英社

悟空が募集したクラウドファンディングを知名度の高いミスター・サタンがリツイートしたら地球規模でバズって目標金額を大きく超えてスゴイことになっちゃっいました。

『ドラゴンボール』42巻より(C)鳥山明/集英社


↑クラウドファンディング大成功

クラウドファンディングは日本文化にはない価値観

ここからはドラゴンボールの枠を取っ払って考えてみましょう。

少年漫画ではクラウドファンディング型の技が皆無

「元気玉」の異質さはドラゴンボール内に留まりません。

他の漫画においてもクラウドファンディング型の技が見当たらないのです。

『HUNTER×HUNTER』でも『ジョジョの奇妙な冒険』でも『鬼滅の刃』を探しても見つかりません。

唯一近いのが、『うしおととら』の最終戦に出てくる東西の妖怪が集結する「火の兄」ぐらいでしょうか。(情報をくれたkenshoさん、ありがとうございました。)

「火の兄」は身内の私募で行われ、レバレッジは効きますが、不特定多数から公募するクラウドファンディング感はありませんでした。

公募とは:
「公に募る」、つまり「広く不特定多数を対象に募集する」こと

私募とは:
「私的に募る」、つまり「限られた少人数を対象に募集する」こと

私が知らないだけで、クラウドファンディングを使いこなすキャラがいるかもしれません。ご存知の方はぜひ一報を!(←これは公募w)

せっかくなのでなぜこんなにもレバレッジを効かせたクラウドファンディング型のキャラがいないのか、仮説を考えてみました。

仮説:「借金は悪」カルチャー

日本人特有なのか、他の民族でもそうなのかはわかりませんが、「借金は悪」みたいな雰囲気や教えって子供の頃に(現代も)ありませんでした?

「借金がある!」と聞くとネガティブに捉える人が多く、決して

「借金できるなんて信用があるんだね。スゴーーい!」なんて意見は出てこないですよね?

マスメディアでも「日本政府の借金が、、、」みたいなネガティブなトーンの報道が定期的にタイムラインに登場します(ちなみに日本政府の借金はぜんぜん大したことない。日本は財務的には超健全)。

借金に限らず、他人から何かを借りることに対してネガティブな価値観や「他力本願はいけない」といった価値観がこういった部分に出ているのかなぁという気もします。

『ドラゴンボール』より(C)鳥山明/集英社


↑自己鍛錬が基本の価値観

もしくは自己鍛錬を推奨する武士の教えが現代にも残っているからでしょうか。

逆に言えば、これからの作品ではクラウドファンディングの普及に伴って他から力をかき集めるレバレッジ系の技を中心にストーリーが展開されるかもしれません。

まとめ:小さな力で大きな成果を生み出すことを意識しよう

『ドラゴンボール』42巻より(C)鳥山明/集英社


「元気玉」をクラウドファンディングに例えて、その異質さについて考察してきました。

日本漫画史上において「元気玉」が特異であり、類似性がないことは新たな発見でしたね。

我々の日常生活においてもレバレッジを効かせる場面はよく出てきます。

小さな力で大きな結果を出すレバレッジの考え方は、物事を拡大していく上では必要になりますが、日々の自己鍛錬の継続が前提です。

本当に必要な場面でクラウドファンディングのようなレバレッジ技が使えるように、自己研鑽を怠らずに精進しましょう。

以上「『元気玉』がズルい技である理由はクラウドファンディング型だから」でした。

(クラウドファンディング型の技が「元気玉」以外にありましたら教えて下さいねー)

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