『逃亡くそたわけ』絲山秋子の感想と考察

こんにちは、taikiです。

『逃亡くそたわけ』絲山秋子を読みましたので、備忘録として感想を残しておきたいと思います。

人間は、仕事とか難しいことを考えずに気の合う人と旅行をゆるくしていれば、心が勝手に元気になる。疲れたら旅に出るのは正解!そんな風にこの小説を捉えました。

ネタバレがあるのでご注意ください。

あらすじ

精神疾患をもった、はなちゃん(21歳学生、女性)となごやん(24歳会社員、男性)が病院を抜け出して、なごやんの車で福岡から鹿児島まで緩い旅をするというお話です。

印象に残っている場面・描写

躁うつ病の辛さ

躁鬱病を抑えるための薬が切れて、名前を偽って、保険証がなく全額負担であっても病院に行って薬をもらうシーンが中盤であります。
普通に考えると保険証がなかったら諦めるのに、全額負担だろうが病院に行くことが病気の辛さと切迫感が伝わってきました。また、睡眠薬を飲んで寝たら、トイレに行きたくて目が覚めるということがなく、おねしょをして、起きて叫ぶという描写が印象的でした。

一人の時間の大切さ

病院から逃げてきて、仲良く二人で旅をしていたはずなのに、終盤のホテルでは別々に部屋をとって、1人の時間をお互いが満喫するシーンがあります。

  • 誰ともしゃべらなくていいしっとりとした時間がホテルにはあった
  • 温泉もいいけど、こういうプライベートなお風呂は心がやすまる

このあたりで、そうだよなぁと1人の時間の大切さを実感しました。

人の車にぶつけて逃げる

駐車していたポルシェにぶつけて逃げるシーンがあります。そのシーンの前に人相の悪い男とハデな女性の描写があって、ポルシェのオーナーを想起させますが、結局、この事件はどうなったのかわからずじまい。その後が気になりました。

鹿児島から帰った後はどうなったのか

物語は鹿児島についた後に「帰ろうか」といって福岡に帰るのですが、逃げ出した病院では大騒ぎなわけで、そこに帰ったらどうなったのかが気になります。
私はどちらかというと病院側の心配している人達に想いを寄せちゃうタイプなので、この自分勝手な行動の責任をどうやって取るのかをずっと考えながら読んでいただけに、その部分が描かれないのは「ぐぬぬ」となりました。

噂に寄ると続編が出るらしいです。そこでどう描かれるのか楽しみです。

まとめ:旅は人を元気にする

なんだかんだで、旅でのトラブルはありましたが、はなちゃんの病状は出発前よりも回復しているように見えました。

旅をしてリフレッシュすることは人間には必要だということなのでしょうね。

気が滅入る様なことがあったら積極的に旅に出て、心に栄養を与えましょう。

映画化もされているようです。

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