HUNTER×HUNTER暗黒大陸編に挫折しない方法を考えた話

『HUNTER×HUNTER』が大好きな皆様、こんにちは。taikiです。

連載再開の目処がまったく立たない暗黒大陸編ですが、再開を待ち望んでいる人はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

話が複雑すぎて挫折しちゃった方、私と話があいそうです(笑)

その一方で、必死に食らいついて考察記事を書かれる方々や、チャーリーさんのこの記事のようにわかりやすく図解してくださる方もいらっしゃいます。

最近の自粛生活の中で時間が出来たこともあって、改めて『HUNTER×HUNTER』を読み直しました。

そうしたらストーリーの全体像がつかめて、挫折する理由がわかり「こうやったら挫折しないで楽しむことが出来るんじゃないか」という仮説が見えてきました。

今回は、暗黒大陸編で挫折してしまった人の為に、ストーリーを大きく捉えてザックリ楽しむ方法を紹介させて頂きます。

3分で理解する暗黒大陸編

ザックリ言うと3つのストーリーラインがあります。

1つ目は物語の大前提である暗黒大陸を目指す2大勢力、「V5」と「カキン帝国」の利権争い。

2つ目はそのカキン帝国内の14名の王子による王位争奪戦。

3つ目は暗黒大陸行きの船に紛れ込んでいる幻影旅団とヒソカの私闘。

そして、戦いの舞台は暗黒大陸への航海中の豪華客船「ブラックホエール号」です。

ブラックホエール号の上層階では14名の王子による王位争奪戦が行われていて、下層階では幻影旅団がカキン帝国のお宝とヒソカの命を狙うために潜り込んでいます。

それぞれをザックリと見ていきましょう。

① V5 vs カキン帝国

まずは抑えたい大きな流れはV5とカキン帝国の利権・資源争いです。

暗黒大陸には豊富な資源が眠っているとされていますが、それをV5もカキン帝国も自分たちでコントロールしたいという思惑があります。

V5はハンター協会に業務委託し、カキン帝国は暗黒大陸探検隊を立ち上げ、ハンター協会の出身者であるパリストンやジンを採用しました。

図解するとこんな感じ。

この話をわかりやすい現実世界の事例に置きかえてみましょう。

  • V5:アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本
  • カキン帝国:中国
  • ハンター協会:Google/Amazon/Facebook/Apple(以下GAFA)のエンジニア
  • 暗黒大陸探検隊:高額な報酬でカキン帝国に雇われた元GAFAのエンジニア

要はアメリカを中心とした西側諸国と中国との対立と考えるとしっくりきますね。

それに対して、西側諸国はGAFAの高度なエンジニア集団に仕事を発注しました。一方で、中国は高額な報酬を餌にGAFAからエンジニアを引き抜いて暗黒大陸探検隊をチームアップしました。GAFA出身のエンジニアに限らず日本のSONYや東芝といった技術者が一時的な高額報酬に目がくらみ、中国系企業に移籍することが現実にもあります。

移籍された側は移籍した人のことを「売国奴」「金で魂を売ったヤツ」と罵倒し、裏切者として扱いますが、心のどこかでは高額報酬が羨ましい…

当然、「たくさん稼げていいなぁ」なんて思っていても口にすることはありませんが、心のどこかで大胆な意思決定が出来ることと高額報酬に嫉妬しながら、存在を意識します。能力的に劣らないのに稼ぎが少ない劣等感をナショナリズムを利用して打ち消して心を沈めますが、本意は隠せません。

『HUNTER×HUNTER』に話を戻すとハンター協会から見たらパリストンとジンは金で魂を売った裏切り者であり、ハンター協会に残った人達からしたら面白くありません。

この利権争いとハンター協会を去った者達への複雑な想いが暗黒大陸編のストーリー背景の一つです。

② カキン帝国の王位争奪戦

その一方で、カキン帝国の内部には王位争奪戦がうごめいています。

しかも王子が14人もいて、全員が殺し合うというなんともむごたらしいものです。

これは、中国共産党における次期後継者争いに例えることが出来るでしょう。

中国共産党組織としては、このようなピラミッド組織になっています。

現在、習近平総書記が全権を握る形でトップに君臨していますが、やはり人間でありますのでいずれ死にます。

誰が次期総書記になるのかを巡って、政治局常務委員(通称チャイナ7)あたりにいる人達が熾烈な戦いを繰り広げるでしょう。

カキン帝国の王位継承戦はまさに中国共産党内の次期の覇権争いなのです。

なぜ王位争奪戦で読者は挫折するのか

中国共産党内部では熾烈な争いを行っているのですが、その争いの情報は日本ではあまり報道されませんし、SNSのタイムラインにも流れてきません。

理由は簡単で、誰も中国共産党内部の内輪揉めにそこまで興味がないからです。

しかも、後継者候補が14人もいたら誰が誰だかわかりません。感情移入が出来ない縁もゆかりもない人同士の争いに対して興味を持てという方が無理でしょう。

その一方で、王位争奪戦の中にクラピカはいます。

もし、日本でキムタクが中国共産党のNo.14をプッシュしたら日本のワイドショーが騒いだりしますでしょうか?

ツイッターで名前も知らない中国共産党の幹部の話題がタイムラインを賑わすことがあるでしょうか?

もちろんありません。

みんなが大好きなクラピカであっても、よくわからない14名の片隅にいるだけでは話の中心にはなりにくいですし、王子とその部下(14名×4〜5名)と複雑な技(念能力)を駆使した戦いに付き合わせることにはどうしても無理があります。

だからこそ、暗黒大陸編を楽しむためには王位継承戦部分は思い切って飛ばして先に進み、後半戦で候補者が絞られてきた段階から向き合っても遅くはありません。

それでも主力王子は抑えたい

「大好きなHUNTER×HUNTERを冒涜するような雑な読み方は出来ない」と仰る方の気持ちはよーくわかります。そんな方は14人いる王子のうち2名だけ、覚えてください。

第4王子 ツェリードニヒ

『HUNTER×HUNTER』(C)冨樫義博/集英社


誰が誰だか興味を持てない14名の王子ですが、我々読者がもっとも覚えやすく、縁もゆかりもあるのが第4王子のツェリードニヒです。

緋の眼を持っていて、クラピカが追いかけているんだからこの王子がもっとも注目に値するのは言うまでもありませんね。

そして、どう見てもモチーフがイエス・キリスト。

念能力もラスボスにありがちな時間操作系です。

クラピカとツェリードニヒが合流する頃が暗黒大陸編のクライマックスと言えるのではないでしょうか。

第9王子 ハルケンブルク

『HUNTER×HUNTER』(C)冨樫義博/集英社


個人的にコイツが来るんじゃないかと思っているのは第9王子のハルケンブルクです。

穏健で王位争奪戦に否定的でしたが、いろいろあって覚悟を決めて戦いに挑みます。

能力的にも性格的にも個人プレイよりもチームプレイでレバレッジをかけて戦うタイプであり、最終的に友情で勝利といったジャンプ的な展開になったら強いのではなんて思わせます。

③ 幻影旅団 vs ヒソカ

3つ目のストーリーラインは『HUNTER×HUNTER』が大好きな皆さんならもはや説明する必要はないでしょう。

クロロにやられちゃったヒソカが「俺は負けてねぇ!!」と延長戦を仕掛けています(幻影旅団は既に死者2名)。

幻影旅団の側に3つのマフィアのファミリーとバックにいる王子の姿がチラつきますが、最初は無視です。

ちなみに、クロロvsヒソカのバトルが複雑すぎてわからなかったという方にはこちらで完全解説をしているので参考にしてください。

絶対理解できる!世界一わかりやすいクロロvsヒソカの解説【ハンターハンター】
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まとめ:まずは王位継承戦以外を追いかけよう

暗黒大陸編を複雑にしてとっつきにくくしているのは間違いなくカキン帝国内の王位争奪戦です。

クラピカが関わっているのでメインストーリーと思われがちですが、我々読者としたら、中国共産党の次期総書記争いを見せられてもピンとこないように、どこか遠い国の下位の覇権争いに興味を持つというのが無理ってものです。

しかもクラピカと第4王子ツェリードニヒの接近を描ければもう少し緊張感も増しましたが、お互いのストーリーがまだ独立しているし、クラピカがくっついている第14王子はどう考えても継承戦の本流から外れちゃってます。

ネット全盛時代のテンポのよい作品に慣れてしまった我々読者にはついていけません(だからこその休載?)。

この部分は後回しにして、大きくストーリーを捉えてみてください。

バカ正直に読んで王位継承戦で挫折してはもったいないので、まずは大きな流れを、それを掴んだら主要王子を、それでも余裕があったらサブキャラの王子達を追いかけて暗黒大陸編を楽しみましょう。

以上「HUNTER×HUNTER暗黒大陸編に挫折しない方法を考えた話」でした。

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暗黒大陸編で突如登場するクロロvsヒソカがバトル漫画史上屈指の戦いになっております。ついていけなかった人はぜひこの記事を読みつつ、もう1回34巻を手にとって見てください。

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