ジョジョに学ぶプロフェッショナル 仕事の流儀【第5部】

こんにちは、taikiです。

前回に続きジョジョ5部を読みました。最高に面白い展開で、休みを利用して一気に読んでしまいました。高校生が主役の4部に比べるとギャングが主役であり、会話も大人っぽくて、物事の考え方や心構えといったマインド面を強調された作品になっていますね。

作者本人も「(ジョジョ自体が)子供向けに書いていない」と語っていますが、特に5部は社会人経験をある程度積まないと見えてこない「プロフェッショナル」という概念が根底にあるように見受けられます。

私はかつてプロフェッショナルファームと呼ばれる組織で働いていました。そこは終身雇用はなく、ある日突然戦力外通告を受ける可能性のあるプロスポーツの厳しい世界に通じるものがありました。その時に感じていたvibesを私はジョジョの5部を通じて感じました。

せっかくなので私の経験も踏まえて『プロフェッショナル』を切り口にジョジョの第5部を読み解いていきたいと思います。

ジョジョで読み解くプロフェッショナルの条件

まずはプロフェッショナルをWikipediaを参考に↓と定義しておきましょう。

プロフェッショナル
専門的な仕事に従事し、その能力が高く、その仕事の技術に優れ、確かな仕事をする人
出所:Wikipedia

高度な専門職で確かな仕事、確実な成果を出す人はどの分野であってもプロとして尊敬されます。

ジョジョのギャングの世界においても、敵・味方問わず上司に与えられたミッションをこなして確かな仕事をしようと必死な登場人物達の姿に何度も胸を打たれました。

そしてジョジョに登場するギャングたちはみんなプロフェッショナルな人達でした。

そんなプロフェッショナルな人達が作品の中で求められたことを切り口にプロフェッショナルとは何かを見ていきましょう。

死ぬ覚悟がある

現実社会のプロフェッショナルな人達は、安定した雇用に魅力を感じません。労働組合も無縁ですし、副業解禁も働き方改革も興味ありません。そこにあるのはショボイ仕事をしたら次は声がかからなくなる(≒死)という驚異とそれを受け入れる覚悟です。

この覚悟がない状態で「ワークライフバランスが、、、」なんて言おうものなら、「使えない奴」というレッテルが貼られて、次から声を掛けてもらえなくなるでしょう。ギャングの世界だったら消されてしまいます。

ブチャラティチームも敵のチームもすべてのキャラに共通していたことが覚悟を持っていたことであり、作者が何度も読者に問いかけていたのは覚悟を持っているかどうかでした。

5部を通じて「覚悟」という単語が何度も出てくるのは、そのことの表れでしょう。

決断出来る

私が5部で一番好きなシーンに、ブチャラティがボスを裏切ったことをブチャラティチームのメンバーに伝え、その上でブチャラティについてくるかどうかは自分で決めろ伝えるシーンがあります。

ブチャラティが「頼む、俺についてきて助けてくれ」と言ったら、ナランチャとフーゴはすんなりとついてきたでしょう。しかし、ブチャラティはそうは言いませんでした。

大事な局面で判断を他人に投げるような人にはプロフェッショナルは務まりません。

ニュースや新聞記事等で「決められない政治」とか「大企業は動きが遅い」といった言葉を誰しもが聞いたことがあると思います。そういう組織は決断出来る覚悟をもったプロフェッショナルがいません。誰かに決めてもらおうと組織内をたらい回しにした結果、時間がかかってしまうのです。

ブチャラティはチームメンバーにサラリーマン的な指示待ち人間がいたら、これから襲いかかってくるであろう暗殺チームとは戦えないと考えました。だからこそのこのセリフなんでしょう。

後輩を育成する

プロフェッショナルというと高い専門性ばかりが注目されがちですが、現実社会の組織では後輩の育成も求められます。プロフェッショナルを創るのはプロフェッショナルなのです。実際に人事評価項目の1つに後輩育成は組み込まれています。

そんな後輩の育成を意識したシーンもキッチリ表現されています。適役で登場したプロシュートとペッシのチームで、上司のプロシュートが弟分であるペッシにプロフェッショナルとは何かを語っています。

そして、戦いに敗れて死亡したプロシュートの意思をついで、ペッシが覚醒します。

この瞬間、ペッシは一人前のプロフェッショナルになりました。先輩であったプロシュートは戦いに敗れて死んでしまいましたが、その魂は受け継がれました。

2つのプロフェッショナル

プロフェッショナルにはエージェント型とプリンシパル型の2パターンあります。それぞれのプロフェッショナルの違いを抑えつつ、ジョジョ5部もまた違った目線で見ることが出来ます。

エージェント型

エージェント型のプロフェッショナルとは、クライアントやボスといった雇い主がいて成り立つタイプのプロフェッショナルです。

現実社会で言えば、弁護士とか会計士といった士業の方やコンサルタントといった専門スキルを提供して、与えられたミッションを達成するタイプの人達です。

ブチャラティチームで言えば、アバッキオは典型的でしょう。

アバッキオはミッション・コンプリートを最優先事項として捉えて、そのためには仲間が死んでも仕方ないと考えています。一方でジョルノは状況に応じて臨機応変に対応するべきだと意見がぶつかりました。

自分の意思よりもクライアントの意思を最大限に尊重するアバッキオのようなタイプはエージェント型のプロフェッショナルです。

プリンシパル型

エージェント型とは逆で、個人として高度な専門性を持ちつつも、誰かに雇われるのではなく自分でストーリーを描いて実行するタイプのプロフェッショナルがプリンシパル型です。

現実社会で言えば代表的なのは起業家でしょうか。

ジョジョ5部で言えば、ブチャラティ、ジョルノ、リゾット・ネエロ、ディアボロです。当然、各人が高度な専門スキルを持っていて、その専門性を活かしつつも自分が創造したシナリオ通りに持っていこうと画策します。

ブチャラティのこの発言は、他人からの見え方はどうでもよくて「俺がこうしたいからこうする」といった主体性の塊です。


ジョルノのこの発言も自分で未来を切り開こうとする意識から来るプリンシパル型の発言ですね。

クライアントを持たずに自らが組織のトップに立つタイプこそがプリンシパル型です。

5部その後を考察するならミスタである理由

ジョジョ5部は人気が高く、考察記事がネット上にはあふれて、いろんな人がいろんな切り口で語っています。

ここまで説明してきた2つのプロフェッショナルを切り口にジョジョ5部を考察するとテーマとして面白いのはミスタです。

ミスタはディアボロとの戦いで生き残り、その後もジョルノと行動を共にしたようです。

ミスタはこの後、どんな人生を送ったのでしょうか。

ミスタは暗殺を得意とするエージェント型のプロフェッショナルでした。エージェント型のプロフェッショナルは、キャリアのどこかで最低でも1回はプリンシパル型への転向を考えることがあります。言い方は悪いですがエージェント型は常に雇われの身であり、黒子に徹して表に出ることはありません。

エージェント型のプロフェッショナルも長いキャリアの中で、クライアントに鈍臭さを感じて、自分の思い描くようにやってみたいと思うことはあるでしょう。

そう考えると「ミスタはいつか独立してジョルノの元を離れるのか」というテーマを考察すると面白いですね。

もちろんエージェント型とプリンシパル型はどちらが上、下という話ではありません。向き不向き、好き嫌いの話です。

まとめ:何者かになりたいのなら、まずは覚悟を持て!


ジョジョ5部の登場人物はすべてがプロフェッショナルであり、高度でギリギリの中で戦い、多くの者が命を落としていきます。しかし、そこに仲間からの哀しみはあれど、本人達の後悔はありません。覚悟が出来たプロフェショナル同士の戦いとはそういうものです。

現実社会ではどんなに失敗しても命まで落とすことはありませんが、プロフェッショナルな人達は常に信頼や評判を失うリスクの中で戦っています。何者かになりたい人はまずはそのリスクを背負って生きることの覚悟を持つことからはじめましょう。そのうえで決断が出来れば、厳しくもエキサイティングな世界が広がっています。

個人的には優秀な人こそ、プリンシパル型のプロフェッショナルになってもらって、自分のビジョンを世の中に問うような人生を送ってほしいです。

ジョジョが好きで、このブログをココまで読んでくださるような方は、何者かになりたい人がほとんどでしょう。ぜひ、高度な専門知識死んでもいいという覚悟を持ってプロフェッショナルな人生を歩んでください。

以上「ジョジョに学ぶプロフェッショナル 仕事の流儀【第5部】」でした。

オマケ

プロフェッショナルな生き方に興味を持ったら、プロフェッショナリズムの真髄について書かれたこちらの本もあわせてどうぞ。

あわせて読んで欲しい

ジョジョ5部に登場するアバッキオの印象的な白昼夢のシーンを覚えている方も多いでしょう。あのシーンを読み解いていくとジョジョ5部とはなんだったのかが見えてきます。ジョジョ5部の正体とはなんと我々自身でした。

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