ハンターハンターを読んで現代社会で本当に必要な知能がわかった話

こんにちは、taikiです。

ハンターハンターが再び休載期間に入りました。想定の範囲内ですね。
あれだけ緻密で複雑な設定とストーリーなんですから、休載中はあーでもない、こーでもないとハンターハンター議論をして再開を待ちましょう。

今回は、ゴンやキルアが頭を使って考えながら戦うシーンを読みながら、「現代社会に求められる頭の良さ」と「一昔前に求められていた頭の良さ」の違いに気付きました。その気付きを流動性知能と結晶性知能という心理学のアプローチで読み解いていこうと思います。

知能はIQのような数値で表せるようなものじゃない

頭の良さを測る指標としてIQが用いられることが多いですが、IQで頭の良さを測ろうとするほど頭の悪いことはありません。ハンターハンターの登場人物の強さを戦闘力という数値だけで表現することが不可能なように、頭の良さだってIQで表現することは無理です。ハンターハンターが好きな人であれば納得出来ますよね?

「あの人は頭が良い」の”頭の良さ”とは具体的にどのような能力を指すでしょうか。

人によっては偏差値の高い学校を卒業している人を指すかもしれないし、人によっては学歴ではなく独創的なアイデアを出す人かもしれないし、人によっては初めて経験するような場面に遭遇した際に「どのように行動すればよいか」「どう対処すればよいか」ととっさに考えて行動出来る人のことかもしれません。

結論を言うと、“頭の良さ”はガリ勉型で積み上げた頭の良さと物事の考え方・発想・視点の独創性といった頭の良さの2つがあります。

レイモンド・キッテルという心理学者は知性を大きく流動性知能と結晶性知能の2つに分けて考えました。

結晶性知能:
学校で受けた教育や、仕事・社会生活の中で得た経験に基づいた知能である。例えば、言葉の分析、単語力、語学能力などは、この結晶性知能によって行われる。

流動性知能:
新しいことを学習する知能や、新しい環境に適応するための問題解決能力などのことである。

出所:Wikipedia

要は「勉強によって積み上げた知能」と「そうでない知能」が2つあるというわけです。

ここから先は、流動性知能(Fluid Inteligence)をF系、結晶性知性(Crystallized Inteligence)をC系と呼ぶことにしましょう。

F系の流動性知能活用シーン

ヨークシンシティ編でゴンとキルアが木造蔵の話を応用させたシーンがあります。

300年前に金持ちの間で流行した隠し金庫の木造蔵から中身を差し替える方法で接合面ではない場所から宝を抜いてしまう「ヨコヌキ」という手法がありました。

出所:ハンターハンター7巻

その知識を応用させて、監禁された部屋から見事に脱出します。

出所:ハンターハンター7巻

追い込まれた状況で頭をフル回転させて、その場で考え出した解決法です。勉強して積み上げてきた知識ではありません。いい大学に入れたからといって出てくる解決方法ではありませんね。ゴンとキルアはまだ12歳だし。

また、念の修行をするゴンとキルアにウイング先生が言いました。

出所:ハンターハンター7巻
これは、C系のガリ勉型にならずにF系の知能も鍛えなさいということを示唆しているのでしょう。要は修行だけやっていても強くならないと言っています。

まさにF系、流動性知能です。

C系結晶性知能の活用シーン


出所:ハンターハンター1巻

クラピカが古代スミ族のイレズミを見て、何かを感じ取るシーンがあります。
古代スミ族は、風習で神の妻となる女性は生涯独身を誓い、手首に特殊な紋様のイレズミを入れるという習慣があり、夫がいることが嘘であることを見抜きました。
これはC系、結晶性知能の活用です。

その場で考えて捻り出したというよりも知っているか/知らないかの違いしかありません。ゴンやレオリオだったら同じような思考にはなりません。何がどこで役に立つかわかりませんね。スティーブ・ジョブズの言葉を借りるのであれば、コネクティングドットでしょうか。ちょっと違うか?

時代に求められている知能はF系

他にも知的バトルシーンは探せばいくらでもありますが、大半はF系でしょう。このことから一つの仮説が導き出されました。

仮説:今、時代に求められているのはF系の流動性知能!

時代に求められているのは、”C系の結晶性知能を積み上げたガリ勉”ではなく、”学歴はなくてもネット空間でその才能を遺憾なく発揮するYoutuberやInstagramerに代表されるネット芸人”のようなF系の流動性知能なのではないでしょうか。

この仮説をそれっぽく見せるために、昭和テイスト残した漫画のワンシーンをピックアップしよう。
魁!!男塾のあるシーンで、謎の拳法をみて驚愕する男塾メンバーがその正体を知っていそうな月光に向かって言いました。

その後、民明書房の解説が入ります。

当時は、インターネットもなくその情報を検証する手段もありませんでした。現に私も含め民明書房が実在する出版社として信じていた少年はたくさんいました。
また、雷電の解説もC系の結晶性知能であり、その場で閃いたものではありません。民明書房はインターネットのない時代においては権威でした。

「出版社がそういうのだからきっとそうなんだろう」と当時の少年達は思考停止で受け入れていました。

雷電の解説キャラが凄そうに見えたのも民明書房がそれっぽく説明して信じられてしまうのも結晶性知能の時代であったからに他なりません。

話を2018年に戻しましょう。

今の時代は漫画の世界でも現実世界でも主役になるのはC系の結晶性知能キャラではなくF系の流動性知能キャラです。残念なことに物知りタイプのC系結晶性知能キャラの価値は減少傾向にあります。ハンターハンターで知識で戦う博士タイプのキャラいませんよね?

インフルエンサーによる大学不要論もF系のことを言っている

ネット界隈でたまに議論になる大学不要論というテーマがあります。堀江貴文さんやイケダハヤトさんはあちゅうさんといったインフルエンサーと呼ばれる人達が取り上げて話題になったのをみた人もいることでしょう。

結局この話もC系とF系の議論に回帰する話であり、ガリ勉型のC系結晶性知能の価値が下落しているということが表舞台で語られただけでしょう。もちろん大学でもF系の流動性知能のトレーニングを意識的にやれば意味がありますし、それこそがこれからの教育に求められることでしょう。これらの前提が共有されずに”大学はオワコン”といった所で、見出しのインパクトだけしか残らない空虚な議論になります。

インフルエンサーだからといってそれを鵜呑みにするのは愚の骨頂です。意味合いは自分で考えましょう。

結論:F系の流動性知能を鍛えてこれからの時代を生き抜け

日本の学校教育はC系の結晶性知能重視の教育です。その一方でインターネットの普及した現在社会に求められているのはF系の流動性知能です。

C系の結晶性知能の権化とも言える「偏差値エリート達が大学を卒業し、その延長戦をやっているような大企業や官僚組織の姿」と、「学歴の裏付けがなくても流動性知能でネット芸人として若くして活躍しているインフルエンサーや経営者」をみているとどちらが時代に求められているかは一目瞭然でしょう。

ハンターハンターがメッセージとして読者に伝えたいことは、ハンターのように常に自分の頭で考えて世の中で活躍してくれというメッセージだったのです。

以上、少年漫画大人斬りでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

昔読んだ少年漫画を大人になって読み返したら、大人ならではの視点で新しい学びがたくさんあり、再び漫画を読むようになりました。
せっかくなので、大人ならではの視点で少年漫画について書きたいと思います。
普段は冴えない中小企業を経営しています。
アラフォーのおっさん。